今回は特定技能外国人を受け入れる企業様向けに事前ガイダンスに関してご説明いたします。特定技能外国人を受け入れるに際して行う支援は様々あるものの、事前ガイダンスは企業様が一番初めに行う手続きであり、日本での活動内容、上陸や在留のための条件など、様々な留意事項を情報提供する重要な機会となっております。それでは具体的な支援内容に関してはどのように大別されるのでしょうか。
義務的支援と任意的支援
具体的には、義務的支援と任意的支援の2種類に分類されるというのが特徴ではないでしょうか。まず初めに、義務的支援に関しては「雇用契約締結後のトラブル防止」という趣旨があり、業務内容・報酬額・労働条件などは勿論、保証金等の支払い・違約金等に係る契約をしていない点や、外国の機関に支払った費用に関する確認など、口約束による後々のミスコミュニケーション防止が大きな目的といえるでしょう。万が一、トラブルが生じた際のホットライン(支援担当者の連絡先)も併せて情報提供致します。
続いて、任意的支援の内容に関しては如何でしょうか。義務的支援に加え、情報提供することが望ましい留意事項につき特定技能外国人へ伝達するという趣旨がございます。例えば、日本の気候に合った服装や本国から持参すべきもの、持参した方が良いもの、あるいは、持参してはいけないもの、当面必要になる金額とその用途、その他特定技能所属機関から支給されるものなどです。日本人にとっては当然の慣習であっても、外国人にとっては未知の世界であり、安心して入国できるような体制を整えることが必要であるといえます。
事前ガイダンスの実施方法
事前ガイダンスの実施方法に関しては、対面、テレビ電話、インターネットによるビデオ通話などにより、本人であることの確認をおこなったうえで実施することが必要です。以上の要件を満たせばZOOM等のリモートで実施することが可能であり、注意点としては外国人が十分理解できる言語で実施することが必要な点ではないでしょうか。
なお、「3時間程度」の実施に加えて、「特定技能外国人が十分に理解できるまで行う必要がある」という2点は特に重要であり、WEB上での実施だからといって内容を省略できる訳ではない点には注意が必要です。
理論上と実務上の運用とのギャップ
さいごに、今回ご説明させていただいた「事前ガイダンス」に関しては、特定技能外国人を初めて受入れる企業様にとって理論上と実務上の運用との間でギャップが生じる場面も少なくないかと存じます。複数名の内定者に対して支援を実施する場面など、原則と例外等の整理に時間を要する場面も出てくることでしょう。
勿論、自社内または登録支援機関において手続きを完結させられるに越したことはありませんが、目まぐるしく制度改正が行われてる特定技能分野において、行政書士等の経験豊富な専門家に相談してみるのも一つの手ではないでしょうか。