今回は介護分野における特定技能外国人の受け入れについて、具体例を交えつつメリット・デメリットについて解説致します。
日本において、少子高齢化に伴う介護問題について、意識されている方は少なくないと思います。
特によく耳にするのが介護業界における人手不足ではないでしょうか。
介護分野でも特定技能外国人の受入れが可能ですが、現状はどうなのか?そんな疑問にお答えします。
特定技能外国人の受入れの現状
それでは、大きく2点に分けて具体的に見ていきましょう。
第一に「特定技能外国人はどんな介護業務ができるのか?」についてですが、「身体介護全般」の仕事を任せることができます。入浴、食事、排せつ、衣服着脱など、日本人従業員と同様の業務が可能です。
付随する関連業務(日常の清掃や布団カバー交換等)のみの作業にもっぱら従事させることは認められていませんが、通常の介護業務と合わせて行う場合は認められます。また、
現時点においては訪問介護サービスに従事することはできません。しかし、厚労省は2025年度実施を目標に、特定技能外国人にも従事できるように検討をしておりますので、今後の業務内容の拡大が期待されています。
第二に「どんな介護施設で雇用ができるのか?」についてですが、「介護福祉士国家試験の受験資格の認定において実務経験として認められる事業所」という要件があります。
例えば「特別養護老人ホーム」や「地域福祉センター」などの対象者が、高齢者・障がい者であり、主たる業務が「介護業である施設等」がこれに該当します。
「有料老人ホーム」では場合にもよりますが、住居提供をしている住宅型有料老人ホーム等は対象外となります。
雇用を開始した場合のメリット・デメリット
では、実際に雇用を開始した場合のメリット・デメリットに関しては一体どのようなものがあるのでしょうか。
メリットとしては、コミュニケーション能力・実務能力が一定程度担保されているうえでの就労が可能であるということです。特定技能外国人は、介護分野において身体介護を自ら一定程度実践できる技能レベルを既に有しており、かつ、一定基準以上の日本語試験を合格している為、日本語能力においても即戦力として期待できる可能性が高まります。
デメリットとしては、人数枠・雇用形態への配慮が必要な点でしょうか。人数枠については、日本人等の常勤職員数の総数が上限となりますので、人手不足を無制限に特定技能外国人で解消できる訳ではありません。
また雇用形態は「直接雇用」の「フルタイム」となりますので、スポットで仕事を依頼する勤務形態は認められておりません。
訪問介護サービスの業務拡大を見据えて
以上、介護分野について解説をさせて頂きました。皆様が思われているより、特定技能の介護分野に対する受入れのハードルは下がったのではないでしょうか。2025年度の訪問介護サービス業務拡大も見据えて、今からご準備をされてみてはいかがでしょうか。